「ボロ戸建投資」と言わないで!!

最近SNS等で、築40年以上の「ボロ戸建投資」という言葉をよく耳にします。
私は個人的にこの「ボロ戸建て」と言う表現に違和感を覚えています。

私も築40年以上の物件は数件所有しています。
どんな物件の取引であれ、買う人がいれば当然、売る人がいます。

私はプロとしての立場で、一般の売主様から物件を買わせて頂いております。

3年程前の取引の事です。
80歳過ぎの高齢の男性(以下売主様)が住んでいましたが、一人での生活が出来なくなり施設に入りました。
今まで住んでいた物件を売却する事になり、その物件を私が購入させて頂く事になりました。

取引は契約と決済(代金の支払い)を同じ日にまとめてする。契約決済の取引だったので、売主様とお会いするのは最初で最後でした。売主様も買主(私の事)はどんな人だろう?、、と少し緊張している様子でした。

契約書の署名捺印、売買代金の授受が終了して少しお話する中で、売主様が今まで住んでいた家を売り払うのが少し寂しそうな顔をしていたので、

「私は売ってもらった物件をリフォームをして人に貸して、これからも大事に使わせて頂きます」

と売主様にお伝えしました。
すると、売主様は今までの思い入れがあったのでしょう、「大事に使ってやってください」と涙を流しながら言ってこられました。
今まで住んできた自宅なのでいろんな思い出や、ここを売り払って施設に入る寂しさ等、いろんな事を考えられたのだと思います。
そんな事もあり、この物件は今も所有している私のお気に入り物件です。

買う人の立場からみると「ボロ戸建」かもしれませんが、そこには今まで長い間住んで来た売主様もいらっしゃると言う事も忘れてはいけないような気がします。

そう考えると物件に愛着も湧いてくるものです。
私は「ボロ戸建て」では無く「築古戸建」と言っています。

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